こちらでは、板金加工で用いられることがある圧入加工についてまとめています。圧入加工の特性や加工方法なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
圧入加工とは、金属同士をネジやビスなどを使い、加圧によってつなぎ合わせる加工方法です。圧入は、金属を接合する方法の中でも「機械的接合」と呼ばれており、溶接やはんだ付けなどの冶金的接合、接着剤的接合とは別の加工法となります。
切削加工や鍛造加工などと比較して加工が容易でコストも抑えられる圧入加工は、主にシャフトの接合やピンの整形に利用されています。また、加圧を均一にする必要がありますので、接合する部品の形状は円形であることが多いです。
圧入加工は、接合したい部品同士を押し込んで接合する加工法のこと。押し込んだ差し込み部品と、それを受ける穴側の部材の両方が反発し合うように圧力を発生させ、部品同士を強く接合します。圧力によって亀裂が生じたり、部材がたわんだりするケースがありますので、知識と経験はもちろん、適切な部材選定をする必要があります。
圧入加工は機械的接合ですが、その他に「ねじ固定・カシメ・やきばめ(ひやしばめ)」があります。機械の組み立て時などに使用されるねじ固定は、圧入加工よろいも分解が簡単なため、メンテナンスの際や故障した際に、ねじを外す必要がある個所を固定するのに使用されます。
カシメ加工は板同士を接合する際に使われる加工方法で、曲げ加工と同様、金属を変形させる塑性加工の一つ。主に大きな機械のシャフトと円盤状の部品接合に使われるやきばめ(ひやしばめ)は、金属の温度変化による膨張や収縮を利用して接合する方法。電車の車輪とシャフトの接合などに用いられています。
溶接などとは異なり、圧入加工は加工後に分離することができるのが大きなメリットです。メンテナンスが必要な機械製品などには、加工後でも分解できるよう、圧入加工が用いられていることが多く見られます。また、接合部分が綺麗に仕上がるおとから、見た目が重視される部分にはこの圧入加工が採用されます。
薄い板を加工するのが難しいところがデメリットです。金属の膨張や収縮の影響を受けて接合が解消してしまったり、円形以外の形状で用いようとすると強度が不安定になったりなども発生します。このようなデメリットを考慮し、他の加工法と比べて、より適切な接合方法を選ぶと良いでしょう。
圧入加工について、その特徴や、メリット・デメリットをまとめてみました。板金加工を行う際は参考にしてみてください。
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